未経験ドライバーや、ベテランドライバー、営業所長から体験談やメッセージをご紹介します。
管理職ドライバー 町田営業所 佐藤 実晴 (入社8年4ヶ月)
町田にある本社営業所で、主任として統括業務を担う佐藤氏。現在はドライバーの仕事だけでなく、配車や社員の業務の割り振りなどのマネジメント業務も行っている。サントスに入社したのが8年前。音楽事務所のスタッフとして働いていた当時、結婚を機に経済的な安定性を求めてドライバーに転身した。
大手スーパーにパンなどの食品を運ぶわけですが、その数が多い上に、納入する時間は非常に厳格で、遅れることはもちろん、1分でも早く着いてもダメなんですよ。でもトラックの運転自体初めてですし、最初は慣れないから時間通りになかなかいかない。
自分は、半人前というのがとにかく嫌だったんです。早く一人前になりたくて、2月なのに、ユニフォームは毎日汗でビチャビチャ。それを見て、先輩たちもほっておけなかったのかもしれません。先を考えた荷物の詰め込み方から、上手な配送ルートの取り方など、親身にいろいろ教えてくれました。
僕はドライバーというのは、7割以上は接客業であると思っています。お客様先に商品をお届けして、そこで態度が悪かったり、失礼な物腰に終始していたら、「もう来ないでくれ」と契約を打ち切られてしまうことだってあり得ます。ドライバーは荷物を運ぶのが仕事です。けれど、同時に信頼も運べなければ、プロではありません。お客様にいかに信頼してもらえるか。それは接客の態度や姿勢で大きく変わってくると思います。安全に商品を時間に間に合わせる。当たり前の結果の中にも、1人ひとりの日々の懸命な過程があることを、この会社はきちんと見てくれます。ドライバー1人ひとりの成長プロセスを見ることの重要さを知ったのは、私自身の仕事観に良い影響を与えてくれたと感じます。ドライバーとして、また人として、確かな成長が得られる環境であることに感謝しています。
若手(未経験)ドライバー 静岡営業所 上原 鉄也(入社1年2ヶ月)
上原氏の経歴は異色である。高校卒業後、陸上自衛隊に入隊し、2任期・4年を過ごした。高校を出る際に「すぐに社会に出るよりも、まずは心と体を鍛えたいと考えて」自衛隊に入ったという。そして22歳のときに任期満了で退職し、当社に入社した。
自衛隊を退職した人を対象にした企業説明会があり、そこがサントスとの出会いでした。他の会社は人事担当者が説明に来ていたのが、サントスだけは社長の山本自ら参加していて興味をひかれたんです。話を聞いてみると、社員の福利厚生、能力を正当に評価して成長を促す仕組み、家族と過ごす時間やプライベートの時間を尊重してくれる考え方、また社員を「人財」と位置付けているという話などを聞いて、すごく従業員ファーストな会社だなと感じました。
1カ月くらい経った頃でしょうか。次第に、ドライバーの仕事もおもしろいな、と思うようになっていったんです。最初は配送の仕事と聞くと、毎日倉庫に荷物を運んで淡々と終わるようなイメージをもっていました。でも実際は、食品をスーパーなどに運ぶだけではなく、納入先の担当者とコミュケーションをとる機会が多かったんですよ。人と人とのつながりがベースになる仕事なんだなと感じたんです。
「君はいつも時間どおりに来てくれて助かるよ、ありがとう」とお客様から感謝の言葉をかけてもらえることもあり、それが何より嬉しかったんです。自衛隊のときは、お客様に喜んでもらえるという感覚を味わったことはなかったので(笑) 純粋にこういう仕事っていいなって。
そんな中、上司から「試験があるから受けてみるか?」と運行管理者の資格のことを聞きました。またとない機会だと思い、即答で「やります!」と答えたのですが、まったく知識のない中で、一からの勉強は大変でしたね。1日8時間は机に向い、教本を頭に叩き込み見事合格!今は点呼業務のほかにも、乗務員の健康診断や適性検査の結果などを台帳にまとめる作業や、運転の稼働時間の集計、運転時間が法的基準を超えていないかどうかのチェックなども任されています。
ドライバーの仕事を経験してみて、今まではスーパーに品物が並んでいるのは当たり前だと思っていましたが、その裏で毎日24時間、昼も夜も関係なく、ドライバーの人たちが荷物を運んでいるからこそ成り立っているのだと知りました。
やっぱり、誰かの役に立てる仕事をするのが、自分にとって最もやりがいのあることなんです。それが、商品や荷物を安全かつ時間通りに運んでお客さんに喜んでもらうことで、自分が役に立っているという実感として日々得られる。そのことの大切さを、ドライバーの仕事を通じてあらためて知ることができました。
東海営業所 所長 大森 重春(おおもりしげはる)
この仕事をしていく上で最も気を付けているのは、従業員一人ひとりをよく見ることである。過去にあった出来事から、大森はその重要性を痛感したという。
ある日突然、ドライバーをしている30代半ばの部下から相談を受けた。「この仕事をやめようと思っています」。話を聞けば人間関係に悩んでおり、どうしても上手く付き合えない同僚が2人ほどいるという。そんな悩みを抱えていたとは知らず、いつも楽しく仕事をしているとばかり思っていた大森は、愕然とした。「表面上は何の問題もないように見えていました。まさかそこまで思い詰めていたとは、想像もしていませんでした」。
配置の変更や勤務時間の調整でなんとか対応できないかと考えたものの、20人近くいる営業所内で完全に接点をなくすのは難しい。別々に配送をしても、倉庫に戻ってくれば顔を合わせるのは避けられないだろう。必死に説得したが、結局そのまま退職してしまった。大森は彼の悩みに気付いてあげられなかったことを大いに悔いた。
それからは一人ひとりをよく見るようにして、少しでも心を開いてもらおうと気を配っている。特に用事がなくても「最近どう?」などと定期的に話しかけて、細かい変化を見逃さないよう努めているのだ。相手の本音を聞き出すのは簡単ではないが、同じことを二度と繰り返さないためにも、こうした小さな積み重ねが大切だと思っている。
努力の甲斐あって、最近ではプライベートな話をしてくれる人も増えてきたという。また、若手に対しては、年齢や仕事内容が近い所長代理の2人を通じてコミュニケーションを図っている。「人手が足りなくなること以上に、せっかく入社した人にはやめて欲しくないという気持ちが強いです。少しでも良い環境を作りたいと思います」。従業員同士が互いに思い合える、そんな職場にしていきたいと大森は願っている。